※子ども3人家庭のリアルなお金の話です
先日、娘の成人式の振袖を契約してきました。娘はまだ高校2年生です。
「え、もう?」と思われたかもしれません。私も「早いな」と思いました。でも人気の振袖や希望の日程は本当に早く埋まっていくそうで、周りでも動き始めている子がいると聞いて、見に行ってみたのです。
そして、正直な感想を先に書きます。
振袖のレンタルって、高い。
しかも、あらかじめ予算を決めて娘に伝えていたのに、最終的にその予算を3割ほど超えました。今日は、なぜ予算を決めていたのに超えたのか、そこから私が学んだことを、正直に書きます。同じように成人式の準備をこれから迎える方の、ひとつの参考になれば嬉しいです。
まず、娘に「予算」を伝えた
振袖を見に行く前に、私は娘に予算を伝えました。
「30万円まで。それを超えた分は、自分で出してね」
これは我が家のいつものやり方です。大きな買い物のとき、金額の上限は親が決める。でも、その中で何を選ぶかは本人に任せる。そして、上限を超えたい場合は、その分を本人が負担する。大学進学のときも「実家から通うなら私立でもいい、一人暮らしをするなら公立で」という形で、同じように枠を先に見せてきました。
なぜ上限を決めるのか。いちばんの理由は、子ども3人に、できるだけ平等にしたいからです。一人にだけ特別にたくさん使う、ということをしたくない。だから我が家では、それぞれに使う金額の枠を、先に決めておくようにしています。
娘も、その考え方は分かっています。「超えた分は自分で出す」と納得したうえで、お店に向かいました。
大事だったのは「予算を超えたものは、着る前に外す」こと
お店では、娘の好みに合わせて、予算内から少しオーバーくらいまでの範囲で、何着か選んでもらいました。そこから試着して、一着に決めていきます。
ここで、あとから「なるほど」と思ったことがあります。
予算を超えたものは、着てみる前に選択肢から外しておくべきだった、ということです。
いいものは、やっぱりいいんです。値段が高い振袖には、それなりの理由がある。そして、一度袖を通してしまうと、その姿を見た瞬間に気持ちが動いてしまう。「これがいい」と思ってしまったら、もう戻れません。着る前に線を引く。着てしまってからでは、遅いのです。これは振袖に限らず、家でも車でも、大きな買い物すべてに効く考え方だと思いました。
そしてもうひとつ、お店の立場も知っておくといいと思いました。お店は、最初に好みを聞いて、予算より少し高めの「好きそうな」着物を見せてくれます。「予算より少し高いですが」ときちんと説明はしてくれる。でも、見せられたら着たくなるのが人間です。だからこそ、最初に「税込の予算内で案内してください」とはっきり伝えるのが効きます。
それでもどうしても超えたくないなら、もう一歩。オプションで加算される分を見越して、実際の予算より1割ほど低い金額を伝えておくのもひとつの手です。税込30万円で収めたいなら、お店には「28万円くらいまで」と伝えておく。そうすれば、そこから帯やえりで少し加算されても、予算内に着地しやすくなります。
私は、着物選びに一切口を出さなかった
試着が始まってからは、私は着物の選択にまったく口を出しませんでした。黙って見守っていました。
これができたのは、先に予算を伝えていたからです。「ここまで」という線が引いてあるから、当日、私が金額の話をする必要がない。あとは娘が、自分の責任の範囲で選ぶだけ。予算を先に決めておくと、当日は親も子も、お金のことで気まずくならずに済むのです。
娘は、おしゃれが好きで、こだわりが強い子です。妥協しないところもあります。「一生に一度だから、自分の好きな振袖を着たい」と言って、自分で負担すると分かっていても、妥協せずに選んでいきました。帯やえり、帯飾りを、一つひとつ真剣に。
親の目で見ると、私の好みとは違うところもあります。そして、いいものはやっぱり高い。金額がちらつくので、余計なことは本当に一切言わず、ただ見守りました。メイクが好きな子だけあって、自分の好みに合ったものを迷いなく選んでいく姿は、見ていて本当に楽しそうでした。それでいい、と思いました。
ひとつ、印象に残ったことがあります。娘が選んだのは、黒地の振袖でした。華やかな花の柄は入っていますが、地の色は黒。あとで知ったのですが、成人式で黒を選ぶと、親御さんが反対されることも多いのだそうです。「せっかくの晴れ着だから、もっと華やかな色を」という親心からだったり、黒に少し地味な印象を持つ方がいたりするからのようです。
私が何も言わないでいると、お店の方に少し驚かれました。反対する親御さんを、それだけよく見ているのだと思います。でも、私は本当に何とも思いませんでした。黒は着物の中でもフォーマルな色ですし、何より──本人が良ければ、それが一番。色の好みまで含めて、これは娘の一日なのですから。似合っていて、本人がうれしそうなら、それ以上に大事なことはありません。
それでも予算を3割超えた。理由は「消費税」と「オプション」
さて、ここからが本題です。予算を決めていたのに、なぜ3割も超えたのか。
今回のレンタルは、振袖・前撮りの写真・前撮りと当日の着付け・ヘアセットまで含んだセットでした。それでも予算を超えた理由は、大きく2つあります。
理由1:値札が「税抜き」だった
振袖には一枚ずつ値段がついていました。でも、その値札は税抜きだったのです。
頭の中では「30万円の予算」と思って選んでいきます。値札を見ながら、予算内のつもりで組み立てていく。ところが最後に消費税がのって、会計の金額が思っていたより膨らみました。値札の世界が税抜きだと、頭の中の合計と、実際に払う金額がずれてしまう。これが、思ったより加算された一番の原因でした。
理由2:オプションで少しずつ加算されていく
振袖のレンタルは、基本のセットに、そこからランクを上げたり、オプションを足したりするごとに加算されていく仕組みでした。
たとえば帯は、標準のものから、少しずつグレードが上がるごとに値段が上がっていく。えりや帯飾りにも、少しずつ加算がありました。付属品を「ちょっと豪華に」するたびに、金額が積み上がっていくのです。
面白いというか、怖いと思ったのは、大きな金額を見たあとだと、1万円が安く感じてしまうことです。数万円の振袖を選んだあとに「えりはプラス数千円」「帯飾りはプラス1万円」と言われると、なんだか安く感じてしまう。金銭感覚が、その場の空気で狂っていくのを感じました。一つひとつは小さくても、積み重なれば大きい。ここは本当に気をつけないといけないところです。
横で、中2の次女が加算額を計算していた
この日、私は中学2年生の次女も連れて行きました。姉の振袖選びを、一緒に見ていたのです。
面白かったのは、その次女です。漫画をたくさん買う、我が家で一番お金づかいが元気な子なのですが、この日は横で、オプションでどれだけ加算されたかを、きっちり計算していました。「今ので、いくら増えた」と。計算は、とても強い子なのです。
姉が真剣に選び、妹が横で金額を追いかける。振袖を選ぶという一日が、二人にとって、お金の使い方を考えるいい時間になったように思います。予算と希望をどうすり合わせるか。欲しいものと払える金額のあいだで、どう折り合いをつけるか。これは、教科書では学べない勉強です。
買い取りは考えなかった。妹にも、自分の好きなものを
振袖には「買い取り」という選択肢もありました。買い取れば、大学の卒業式にも着られますよ、と勧められました。ただ、買い取りの金額は、レンタルのおよそ2倍。我が家は、これも選択肢から外しました。
理由はいくつかあります。まず、卒業式に着るかどうか、今の時点では分からない。着るか分からないものに、2倍のお金は出せないと思いました。次に、着物の保管に困ること。最近は昔と違って保管しやすくなっているそうですが、それでも我が家には、持ち続ける理由が薄いと感じました。
買い取って、姉妹で同じ振袖を着るという選択肢もあると思います。でも、我が家はレンタルにしました。いちばんの理由は、妹にも、自分の好きなものを選ばせてあげたいからです。ここでも「3人に平等に」の考え方です。姉のお下がりありき、にはしたくなかった。流行りも変わっていきますし、数年後にはまた好みも変わっているでしょう。だからそのときに選べる、レンタルにしました。
まとめ|予算は「税込で」伝える。これに尽きる
今回の振袖選びで、私が一番学んだこと。それは、とてもシンプルです。
予算を伝えるなら、「税込で」伝える。
値札が税抜きの世界では、頭の中の合計と、実際に払う金額がずれます。だからお店に伝えるときは、はっきりと「税込で30万円まで」と言えばよかった。私はそこを曖昧にしてしまったので、その曖昧さの分だけ、予算を超えてしまいました。
しつこいようですが、もう一度書きます。予算を決めたら、その枠を守りたい。そう思う人ほど、はっきり「税込で◯円まで」と言い切ること。ここをけちってはいけません。決めた枠を守りたい家庭ほど、この最初の一言が効きます。
今回の学びを、4つにまとめておきます。
- 予算は「税込で」伝える。値札が税抜きだと、会計で膨らむ
- 予算を超えたものは、着る(試す)前に選択肢から外す。着てしまうと気持ちが動く
- 大きな金額を見たあとの「プラス1万円」に気をゆるめない。金銭感覚がその場で狂う
- どうしても超えたくないなら、オプション分を見越して1割低めに伝える。30万で収めたいなら「28万まで」と
それでも私は、この振袖選びを後悔していません。予算を先に決めておいたから、当日は口を出さずに見守ることができた。娘は自分の責任で、妥協せず、心から満足のいく一着を選べた。予算という枠があったからこそ、親も子も気持ちよく選べたのだと思います。
真似してほしいのは金額ではなく、考え方です。上限を決めて、その中で本人に選ばせる。超えるなら本人が引き受ける。そして、その枠は「税込で」伝える。これだけで、大きな買い物は、ずいぶん穏やかなものになります。
我が家はこうしています。これから成人式の準備を迎える方に、何かひとつでも参考になれば嬉しいです。
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著者:ゆかたまご|子ども3人・税理士事務所勤務・2018年より投資運用中
※本記事は我が家の体験に基づく一般的な情報提供を目的としています。金額や仕組みはお店やプランによって異なります。

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