保険って、みんな入っていますよね。
でも我が家は、医療保険にもがん保険にも入っていません。死亡保険には入っています。
「不安だから保険に入る」——その気持ちは、よく分かります。当然のことだと思います。ただ我が家は、保険を最小限にして、代わりに「現金」で備える方針にしました。
今いくら手元に置いているのか、なぜそうしているのか。子ども3人の我が家の、リアルなお金の守り方を正直に書きます。
そもそも「生活防衛資金」とは?
生活防衛資金とは、ひとことで言うと「もしもの時に、生活を守るための現金」です。
病気やケガで働けなくなったとき。失業したとき。収入が一時的に減ったとき。そういう「もしも」が起きても、しばらくは今までの暮らしを続けられるように、手をつけずに置いておくお金のことです。
大事なのは、これは 投資のお金とも、日々の生活費とも、はっきり分けて考える ということ。普段は使わない、いざという時のためだけのお金です。
一般的には「生活費の3〜6ヶ月分」が目安と言われています。会社員の方なら3ヶ月分、自営業やフリーランスの方、収入が不安定な方は6ヶ月〜1年分、というのが、よく聞く考え方です。
我が家の生活防衛資金は「生活費6ヶ月分・210万円」
では、我が家は実際にいくら置いているのか。正直に書きます。
我が家の1ヶ月の生活費は、だいたい35万円。子ども3人を含めた、5人家族の暮らしです。
その6ヶ月分なので、
35万円 × 6ヶ月 = 210万円
これを生活防衛資金として、投資のお金とは完全に分けて、手をつけずに置いています。
なぜ、目安の中でも多めの「6ヶ月分」なのか。理由ははっきりしています。
我が家は保険が薄いから、その分、手元の現金を厚くしている のです。
保険を最小限にするということは、「もしも」のときに頼れるのが、国の保障と、自分の現金だけになるということ。だからこそ、現金のクッションは厚めに持っておく。これが我が家の方針です。
「削るところは徹底的に削る。でも、守るところはしっかり守る」。生活防衛資金は、その”守る”の中心にあるお金です。
なぜ保険を最小限にできたのか=「国の保障」を知ったから
そもそも我が家も、最初から保険が少なかったわけではありません。
結婚した当初、夫は職場の勧めで、医療保険・生命保険・がん保険・貯蓄型年金保険と、たくさんの保険に入っていました。保険料は合計で月約35,000円。年間にすると42万円です。
家計を見直したとき、「この保険料は、本当に全部必要なのだろうか?」と立ち止まりました。
(このときの見直しの全体像は、こちらの記事に詳しく書いています → 固定費削減15年で500万円|我が家が実践してきたこと)
「高額療養費制度」を知って、医療保険をやめた
調べていて、いちばん大きかったのが「高額療養費制度」を知ったことです。
これは、1ヶ月の医療費の自己負担に上限を設けてくれる、国の制度です。一般的な収入の方であれば、どんなに医療費がかかっても、自己負担は月およそ9万円程度が上限になります(年収によって上限額は変わります)。
具体的な数字で見ると、分かりやすいです。たとえば、年収約370万〜770万円の方が、ひと月に100万円の医療費がかかった場合、自己負担はこうなります。
| かかった医療費 | 100万円 |
| 窓口での支払い(3割負担) | 30万円 |
| あとから戻ってくる金額 | 約21万円 |
| 最終的な自己負担額 | 87,430円 |
窓口では一度30万円を払いますが、高額療養費制度のおかげで、約21万円があとから戻ってきます。つまり、医療費が100万円かかっても、最終的に手元から出ていくのは、9万円弱で済むのです。
(※年収によって上限額は変わります。これは厚生労働省が公式に示している計算例です)
「大きな病気になっても、医療費が青天井でかかるわけではない」。
これを知ってから、民間の医療保険の必要性を、あまり感じなくなりました。我が家は最終的に、医療保険とがん保険を解約し、残したのは死亡保険だけ。月々の保険料は、大きく下がりました。
⚠️ 【2026年の最新情報】高額療養費制度は見直しが決まりました
この高額療養費制度は、2026年8月から2段階で自己負担の上限額が引き上げられることが決まっています。第1段階では、すべての所得区分で月の上限額が4〜7%程度上がる見込みです。
いっぽうで、長く治療が続く方の負担が増えすぎないよう、新たに「年間の上限」を設ける配慮も同時に導入されます。最新の正確な情報は、必ず厚生労働省の公式サイトでご確認ください。
ここで、ひとつだけ正直にお伝えしておきたいことがあります。
これは「保険はいらない」という話では、決してありません。
持病のある方、ご家族の状況、お仕事の内容によっては、民間の保険が必要な場面は当然あります。我が家の選択は、あくまで「我が家の場合」の話。そのまま誰にでも当てはまるものではない、というのは、最初にはっきり書いておきます。
保険は「ゼロか百か」ではない。過剰を見直すだけでもいい
我が家は、医療保険もがん保険も持たないところまで振り切りました。
でも、ここまでする必要は、まったくありません。
大事なのは、ゼロか百かではなく、「今の保険が、過剰になっていないか」を定期的に見直すこと だと思っています。
子どもが小さいうちと、大きくなってからでは、必要な保障は変わります。独身のときに入ったまま、何年も見直していない保険があるかもしれません。同じような保障が、複数の保険で重なっているかもしれません。
子どもの成長に合わせて、保険の種類・数・金額を一度棚卸ししてみる。それだけでも、ムダが見つかることは多いです。
振り切らなくても、削れるところは、きっとあります。
【正直な反省】貯蓄型年金保険は、続けたけれど…
ひとつだけ、今でも「惜しかったな」と思っている保険があります。月10,000円積み立てていた、貯蓄型の年金保険です。
元本は確保されるので、解約しても損はしません。ただ、増えもしない、減りもしない商品でした。
もしあのお金を、同じ月10,000円でコツコツ投資信託に積み立てていたら——15年以上の長期投資になっていたはずです。今となっては、その差は小さくありません。
「元本が減らない安心」と引き換えに、「お金が育つ機会」を手放していた。これは、私自身の正直な反省です。
国の保障が”ない”もので、考えたこと
少し話がそれますが、保険を考えるうえで印象に残った出来事を、ひとつだけ。
1年前、我が家に猫がやってきました。そこで検討したのが、ペット保険です。
人間の医療費には、さきほどの高額療養費制度という”国の保障”があります。でも、ペットの医療費には、そういう公的な仕組みがありません。全額が自己負担です。だからこそ、慎重に考えました。
身近な人に聞いたり、自分で調べたりするなかで、「ペット保険に入っていても、手術で高額な治療費がかかった」という話も耳にしました(金額は人づてに聞いたもので、正確なところは分かりません)。調べていくと、保険には”使えるところ”と”使えないところ”があることも見えてきました。
我が家は最終的に、ペット保険には入らない、という選択をしました。「公的な保障があるものは民間保険を薄く、公的な保障がないものは慎重に判断する」。人間の保険を考えたときと、同じ軸で決めた結論でした。
保険の代わりに、現金をどう貯めたか
「保険を減らすのは分かった。でも、210万円もの現金、どうやって貯めたの?」と思われたかもしれません。
特別なことは、何もしていません。削ると決めたところを、淡々と削っただけ です。
- 保険を含めた固定費を、徹底的に見直した(→ 固定費削減15年500万円の記事)
- 携帯は格安SIMに乗り換えた(→ 格安SIMで年間224万円節約した話)
- 旅行は、ほとんどキャンプ。泊まるときも、宿は安く予約する——贅沢はしないけど楽しむ!
- 外食はあまり行かない——ちょっと良い食材でお家パーティーをする!
ひとつひとつは、地味です。劇的な裏ワザでもありません。でも、こうした日々の小さな選択の積み重ねが、気づけば現金のクッションになっていました。
生活防衛資金が貯まったら、その先へ
生活防衛資金は、あくまで”守り”のお金です。
でも、現金で守りを固めると、不思議と心に余裕が生まれます。「最低限の備えはある」という安心感ができると、はじめて”攻め”——つまり投資に、お金を回せるようになります。
我が家も、最初は貯蓄一本でした。投資なんて、余裕のある人がやるものだと思っていました。でも、生活防衛資金を確保したうえで、怖さと向き合いながら、少しずつ投資を始めました。
投資がまだ怖いと感じている方は、まずこちらを読んでみてください。私が不安だった頃の話と、最初の一歩の踏み出し方を書いています。
→ 投資が怖い主婦が動いた理由|最初の一歩の踏み出し方
「実際にいくら増えるの?」と気になる方は、6年間の積立実績をすべて公開しているこちらへ。+210万円の数字の中身を正直に書いています。
→ オルカン積立6年でパートのお金が+210万円に
守り(現金)を固めてから、攻め(投資)へ。この順番が、とても大事だと思っています。
まとめ:不安だから保険に入る、その気持ちを否定しない
最後に、もう一度だけ。
「不安だから保険に入る」。その気持ちを、私は否定しません。とても自然なことだと思います。
ただ、国の保障の仕組みを知り、過剰になっている部分を見直すと、保険は減らせることが多いです。そして、浮いたお金は、「もしも」に備える現金と、将来のための投資に回せます。
我が家は生活費6ヶ月分・210万円を、生活防衛資金として手元に置いています。これはあくまで一例です。
あなたのご家庭なら、いくらあれば安心できるか。まずは一度、「我が家の生活防衛資金はいくらだろう?」と考えてみることを、おすすめします。

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